5月11日(日)
第23回自民党青年局TEAM-11(チームイレブン)兵庫県訪問が行われました。
TEAM-11(チームイレブン)とは、東日本大震災被災地の復興を後押しするため、小泉進次郎前青年局長時代、平成24年2月に開始されたもので、青年局のメンバーが、毎月11日に被災地に足を運ばせていただくものです。
「継続は“絆”なり」。
毎月11日、松本洋平青年局長をはじめ青年局のメンバーが被災地を訪ね、復興の現場に足を運ばせていただいております。
今月、5月11日は、阪神・淡路大震災の被災地である兵庫県に足を運んでいただきました。
松本洋平青年局長、丹羽秀樹局長代理、熊谷大局長代理、静岡県連田中秀宝青年局長、酒井浩一青年部長、兵庫県にお越しくださり、ありがとうございます。
地元として対応していただいた兵庫県連高橋進吾青年局長、橋本健青年部長ありがとうございます。
○震災被害状況・復興状況説明
人と防災未来センターにおいて、阪神・淡路大震災の震災被害状況・復興状況について概要説明をいただきました。
「こころシアター:東日本大震災津波の傷跡」「1.17シアター」を拝見させていただきました。
○貝原俊民前兵庫県知事との意見交換
貝原俊民前兵庫県知事との意見交換を行わせていただきました。
末松信介県連会長、谷公一復興副大臣にも出席していただきました。
貝原前知事からは、各質問に対して次のようなお話をしていただきました。
○東日本大震災の復旧・復興に必要な視点
国主導の復興計画となったが、もっと、被災者の皆様、地元の皆様の「わがまちをこう再生したい」という意見を反映し、その意向に沿った復旧・復興を行う。
地元にお金が循環する復旧・復興を行う。急ぐあまり中央のゼネコンだけが潤うような復旧・復興を行っては地元にお金が残らない。
○20年を経て、阪神・淡路大震災の「あの時こうすればよかった」という点
神戸は全国的には豊かであることから、国の財政支援は、復興ではなく、震災前への復旧となった。
国に「特区」(外国人労働者受け入れ、ドル決済)を要望したが、1国2制度は認めないこととされた。
神戸・阪神間の後背地は経済的には大きい。復興のため投資を行い、特区を認め、神戸・阪神間の経済を強化していれば、関西の経済、西日本の経済も変わっていたのではないか。
○被災者の生活支援、高齢者の支援はどうだったか
国としては、被災者への個人補償は認めない立場だった。
生活再建支援金を創設し、国には、被災者生活再建支援法を成立させてもらった。
被災者復興支援会議を設置し、被災者の皆様の意見を復旧・復興に取り入れた。
高齢者の皆様の支援として、ふれあいセンター、高齢者に配慮した住宅の整備、見守り体制の整備、コミュニティ形成を進めた。
○神戸港の地位低下をどうみるか
神戸港は20世紀初頭が最も光輝いていた、といえる。
上海港や釜山港など東アジア各港の整備が進み、海(港)から空(空港)へと物流の重心が変わる中で、神戸港の地位低下は避けられなかった面もある。
ロッテルダム港は、神戸、阪神、大阪、堺を足したくらいの大きさがある。4港を合わせた広域港湾として機能させる。
クルーズ船の需要が高まっている。アジア諸国の所得水準が高くなっている中、クルーズ船を増便することによってアジアから多くの観光客を神戸港に呼び込む。
○「創造的復興」で何を創造したか
20世紀は都市の世紀。都市に工業が興り、人口が集積し、経済を発展させてきた。
次の時代に、都市に求められるものは何か。それは快適性や心の豊かさ。生活の質を高めるということ。
1つは、HAT神戸。災害対応の研究、人材養成拠点や人道支援拠点、健康問題、環境問題の機関が集積している。
1つは、医療産業都市構想。新しい産業の創出であり、ポートアイランドに集積が進んでいる。
1つは、芸術文化。HAT神戸には県立美術館があり、西宮市には県立芸術文化センターがある。芸術文化を創造・発信する都市には人が集まる。
関東大震災は発展途上・経済発展期、阪神・淡路大震災は成熟期、東日本大震災は人口減少期、とその置かれた時代背景が違い、復旧・復興を行う方向性も手法も異なる。
貝原前知事からは、文明史、都市論を踏まえた貴重なお話をしていただきました。
「阪神・淡路大震災からの創造的復興」と一言で言うのは簡単ですが、今に至るまでの重責と、立ち向かってこられた実行力に、心より敬意と感謝を申し上げます。
○生活の復興について
兵庫県こころケアセンターにおいて「心の復興」についてお話をしていただきました。
兵庫県こころケアセンターは、災害・事件・事故に起因するトラウマ・PTSD等の「こころのケア」に関する多様な機能を持つ全国初の拠点施設として、調査研究、研修、相談・診察、情報発信・普及啓発、大規模災害時における国内外の被災地支援を行っていただいております。
加藤寛センター長からは「心の復興」には、生活再建、生活支援が何よりも重要であるとのお話をいただきました。
また、孤独な独居中年男性の「心のケア」問題が深刻である旨のお話をいただきました。
○広域防災への取組み
兵庫県災害対策センターにおいて、杉本明文兵庫県防災監から、阪神・淡路大震災の概要・復旧状況説明、兵庫県の防災体制について説明をしていただきました。
関西広域連合として、関西の広域防災への取り組みについて説明をしていただきました。
○神戸港視察
神戸市みなと総局から、神戸港の防災対策について説明をしていただきました。
国際戦略港湾神戸港の整備、内航フィーダー網の整備等、神戸港の充実強化方策について意見交換をさせていただきました。
特に、日本国内のコンテナが釜山港に流れている現状を変えるための政策について意見交換をさせていただきました。
意見交換の後、施設屋上より、神戸港を視察させていただきました。
貝原前知事をはじめ、日曜日、休日であるにも関わらず、対応していただきました皆様方に心より感謝申し上げます。
松本局長をはじめ、兵庫県を訪問していただきました皆様には、訪問施設5か所というハードスケジュールの中、19年を経た阪神・淡路大震災の「現場」にお越しくださいましてありがとうございました。
お世話になりました全ての皆様に心より感謝申し上げます。