菅義偉内閣総理大臣記者会見(令和3年5月7日)
「長引く感染対策の決め手となるのがワクチンです。昨年来、世界の国々では、いわゆるロックダウンを含めた強力な対策が講じられてきましたが、ワクチン接種が進むことで大幅な感染者数の減少がもたらされ、結果的には、かつての日常の活動を再開する国も出てきております。英国では、国民の約半数に1回接種を行ったところですが、一時、1日6万人を超えていた新規感染者数が約2,000人まで減少しております。
私たちが安心した日常を取り戻すことができるかどうか。それは、いかに多くの方にワクチン接種ができるかどうかに懸かっている、こう言っても過言ではありません。私自身が先頭に立って、ワクチン接種の加速化を実行に移します。
来週より、順次、全国の自治体で本格的な接種が始まります。この24日からは、東京、大阪の大規模接種センターでも始まります。その後、1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に、希望する全ての高齢者に2回の接種を終わらせるよう、政府としてはあらゆる手段を尽くし、自治体をサポートしてまいります。
そのために必要なのは、確実なワクチンの供給とスタッフの確保です。既に全国の市町村に対し、来月末までの供給量を示しており、月初めまでに約4,000万回分をお届けいたします。医師、看護師などの確保についても、個別の市町村の状況に応じて、しっかりと対応していきます。先日、日本医師会の中川会長、また、福井日本看護協会会長にお会いし、直接協力要請を行うとともに、休日・夜間の体制拡充への支援を決定いたしました。また、医療機関に勤務している医師や看護師の方々が兼業して接種を手伝うこと、さらに歯科医師の協力を得ることも進めてまいります。
先日、訪米の際に私がファイザー社のCEOと協議した結果、新たに9月末までに5,000万回分のワクチンが追加されることとなりました。さらに来年分として、モデルナ社やノババックス社と合計2億回分の供給を受けることを前提に協議を進めております。そうした中で、来月中をめどに高齢者の接種の見通しがついた市町村から、基礎疾患がある方々を含めて、広く一般の方々にも接種を開始したい。このように考えております。
また、ファイザー社との協議においては、東京大会に参加する各国の選手団に対し、ワクチンを無償で供与したいという申出がありました。IOC(国際オリンピック委員会)と協議の結果、各国選手への供与が実現し、安全・安心の大会に大きく貢献することになると思います。
また、皆さんの御地元では接種の予約などで御不便が生じていると伺っています。自治体の業務が円滑に進むよう、政府としても必要な支援を行ってまいります。」